メールマガジンの転載となりますが、熱帯魚の飼育における省エネについてご紹介します。
大きな被害を受けなかった地域の皆様も厳しい電力事情の中で熱帯魚を含め
ペットに電力を使う事は肩身の狭い思いをされている方も多いと思われます。
当店でも生体の維持管理に必要最低のギリギリの状態まで
電力の消費を抑えるように努力しております。
元々、当店は通販専門ですので基本的に水槽単体に常時照明はつけておりません。
天井灯のみの薄暗い環境で魚を掬ったり餌を与えたり、点検をする等、必要最低限の
作業を行う際にだけ個別の水槽の照明も付けておりました。
通常のアクアショップと比較して非常に省エネな営業をしておりましたが、今回の
震災を受けてより一層の省エネのため、温室の温度を下げ、天井灯の本数も削減し
水換えの回数も抑え、換気も僅かに抑え、消灯時間も早くすると言った努力に努めております。
東京電力、東北電力の地域にお住まいのお客様で熱帯魚を飼われている
皆様もこのような現状で肩身の狭い思いは同じだと思います。
個人の方々でできる熱帯魚飼育のおける省エネ対策を掲載いたしますので
被災され大変な思いをされている多くの方々の為にも少しでも省エネを意識して
努力をして頂ければ嬉しく思います。
1.保温について
熱帯魚の多くは必要最低限の保温で維持できる最低限の温度があります。
一般的な熱帯魚では24~25度位の水温で飼育に支障はありません。
高めに設定されている場合は温度を下げることで省エネは可能です。
一気に水温を下げるのは病気になる恐れがありますので多くても
1日1度位のペースで緩やかに下げて頂く事をお勧めします。
また水槽の保温に関しても水槽の周りを発泡スチロールの板などで正面以外を
覆ってしまうことで大きな保温効果を得ることができるようになります。
テトラ社など各アクアメーカーから断熱性の高い水槽用の断熱シートなども
発売されておりますのでこれらを利用するのも良い方法です。
停電のような緊急時には毛布などで水槽を覆うだけでもかなり効果は
期待できますので、色々とお試し頂ければと思います。
2.水換えのサイクルを調整する
現在の状態では水については被災地を除いて特に不足している報道はありません。
しかしながら、下水の処理にも電力消費は発生しますし、水道水は供給するまでに
浄水され、多くは圧力ポンプによって稼働しているものと考えられます。
熱帯魚の水換えには水槽と同じくらいに水を温める必要がありますので、
その為に発生する電気やガスの消費も少なくは無い思われます。
その為、水換えを抑制する節水もエネルギーの節約に効果的です。
当店でも実際に行っている行為となりますが、基本的に水換えと言う行為は
水槽内に蓄積した硝酸塩によるpHの低下を緩和するのが主な目的です。
このpH低下については水の交換以外にカルシウムなどで飼育水の酸化を
中和するとある程度は防ぐ事が可能になります。
熱帯魚の水槽で行う場合、持続的に効果があるサンゴ砂や石灰石を導入する事になります。
これらは水槽の水が酸化すると含まれているカルシウムが主に硝酸塩と反応して酸化を
抑制する効果が水槽内で行われるようになります。
あまり大量に導入してしまいますと、水質がアルカリ性となってしまい、一部の魚を
除いてあまり良い状態ではない為、目安としては60cm水槽(50L)に対してサンゴ砂を
一握り位の量が目安になります。
注意点としてはサンゴ砂の影響で硬度が上昇するため、水質に神経質なアピストなどには
不向きとなりますが、エンゼルを含め、ネオンテトラなど一般的な熱帯魚の80%位は
多少の硬度上昇では何の問題もなく飼育する事は可能です。
魚の飼育量にもよりますが、pHの低下を抑制することにより、使用していない状態と
比べて1/2位の頻度に抑える事は充分に可能になるはずです。
3.水槽の照明
水槽の照明は熱帯魚の飼育において電力の消費が多いもの一つです。
水草には必要最低限の光量は必須条件ですが、魚の飼育は基本的にあまり重要ではありません。
最初にも書きましたが、当店では震災前から個別の水槽に対して常時の照明は点けておらず、
部屋の天井灯のみで飼育・管理を行っています。
観賞魚ですので綺麗に泳ぐ姿を見るのには照明は必要不可欠ですが、飼育そのものには
薄暗い環境でもそれほど大きな支障はありません。
アマゾン川などは常に濁っている所もありますし、ジャングルの中を流れる川が
強い光に照らされていると言う事も考えにくい事は想像できるのではないでしょうか。
観賞するのにはやや難が発生しますが、薄暗い環境でも魚たちには大きな支障はありませんので
省エネの観点からはなるべく消灯を心がけるのも効果的です。
また古い照明機器をお使いの場合、近頃はインバーター式の蛍光灯やLEDを使った省エネタイプの
水槽用照明も多く発売されていますのでこれらに交換するのも良い方法だと思います。
熱帯魚の飼育に効果的な省エネの方法として大きく3つに分けた省エネの方法をご紹介しました。
他にもモーター式のフィルターよりもエアリフト式のフィルターの方が消費電力は少ない事、
ポンプもメーカーによって消費電量は同じ水量でも意外と大きく違います。
製品の信頼性もありますが、製品を選ぶ際には省エネの観点からも心がけたいですね。
このような状態では1人1人の努力が大切だと思います。
当店でも可能な限り、電気、水道、ガスの使用を控えられるように努力していく所存です。
このほか、省エネに関するご相談などがありましたら可能な限り、
お応えいたしますのでご遠慮なくお問い合わせください。